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 11月3日の文化の日、坂の上部落において『お伊勢様祭り』が行われました。

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 坂の上部落は、古後と八幡の中間に位置し、池の尾、坂の上、小橋といった三つの集落からなる自治区です。
 現在の戸数は、池の尾2戸、坂の上1戸、小橋5戸の計8戸ですが、昭和10年代の最盛期には池の尾4戸、坂の上7戸、小橋5戸の計16戸と、現在の倍の戸数が有ったそうです。

 坂の上のお伊勢様祭りでは、お伊勢様毘沙門様庚申様をまとめて祝います。また、神ざかな・餅(1升)・庚申だんごをお供えするのですが、この餅は焼いて食べると、火事を引き起こすと云われているので煮たりするなどして食べます。
 11時よりお堂にて穴井宮司のもと、神事が行われ、その場で神様にお供えしたお神酒とかみざかなであるイリコを食べました。
 12時より、お祭りの座元である日野次男氏の自宅にて直会がありました。卓上に並んだオードブルの料理をつまみながら、久しぶり会う部落の人たちとの世間話や懐かしい話が盛り上がりを見せ、和気あいあいと楽しく談笑していました

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お堂(通称:お伊勢様)
 坂の上のバス停の西側の山の上に位置しており、お伊勢様とお稲荷様を祀っている。昭和59年の台風で屋根が飛ばされた為、同年9月に屋根を新調、それを記念し家籠神楽を呼び、お堂で舞っている。
 お堂の前の燈籠には「御神燈」「天保十三年■■夏四月」と刻まれており、その当時(1842年)には存在していたと思われる。
 昔は、お堂を子どもたちが遊び場として利用しており、冬はお堂に登る山道の斜面を利用してソリで遊んでいた。また、戦時中の空襲が激しかった時は、頻繁に空襲警報が鳴り、八幡小学校へ行けなかったため、地元の上野ちえこ先生が、お堂で小さい子どもたちに勉強を教えていた。

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後ろの山の中腹の左側にお伊勢様のお堂が位置する(写真左)
お伊勢様のお堂に登る山道、昔はここでソリで遊んでいた(写真右)

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神様の御供え物と、神事の様子

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座元の日野氏の御宅で直会

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当渡し(とうわたし)
 今回のお祭りの座元から、次回の座元へ当番を引き継ぐときに行われる儀式。前の座元が次の座元の盃にお酌をしながら、祭りの日程や神様が書かれた木板を渡す。

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神ざかな・餅(1升)・庚申だんご。帰る時に部落の人、全員に配られる。

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毘沙門天様
鶴ヶ原のバス停から東に向かい、山の急斜面を登ると切り立った岩の窪の中に安置されている。
山の急斜面の手前にある灯篭には「坂之上組中」「文政十三年庚寅孟春吉祥日」と刻まれている。(1830年)

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庚申様
日野次男氏宅から道路を挟んで西側の山の中にある。現在ではやぶとなっているが、以前は旧道が通っていた。(庚申様は道案内の神様の為、道のそばにある事が多い)
手前の灯篭には「坂之上組中」「文政十三年庚寅孟春吉祥日」と刻まれている。(1830年) 

 

 

坂の上部落の他のお祭り
日時 祭り名 神様 内容
1月16日 『山の神』 お稲荷様、山の神(2箇所)、庚申様、歳の神  神ざかな・粢(しとぎ)・小豆ごはん・庚申だんごをお供えする。
 お稲荷様には、小豆ごはんをお供えする。座元が用意した鉢一杯程の小豆とうるち米を炊いて作る。
 歳の神には粢(しとぎ)をお供えする。しとぎとは、生の米粉をこねて、蒸さずに、ひとかさねの鏡餅のように作ったもの。昔ながらの作り方のため、あまり美味しくはない。
7月第3日曜日  『水神まつり(水まつり)』 豊前坊様、庚申様、水神様(3箇所)  昔は、土用に入った次の日に祭りを行っていた。
 神ざかな・庚申だんごをお供えする。
 庚申だんごは、1升を61個に分けて作る。元々庚申様のお祭りは年6回あり、およそ60日間隔でお祭りが行われていた。前の庚申様のお祭りから61日目に次の庚申様のお祭りを行うという事で61個作るようになったと云われている。
4月21日 『おこぼさま』     池の尾と坂の上、小橋の2地区で別々にお祭りを行っている。
 池の尾と坂の上のおこぼさまは、以前は祠に安置されていたが、現在では管理が大変となったため、座元の家々を廻っている。
 以前は8月24日に『おじぞうさま』を池の尾集落が行っていたが、現在は8月21日の『おこぼさま』と一緒に行われている。
 また、以前は旧暦の日にちで行われていた。
8月21日  『おこぼさま』  
 なお『山の神』『水神祭り』『お伊勢様』は神官さんをお呼びして祝詞をあげてもらう。
 昔は、年3回のお祭りの座元を、かみ、なか、しも(池の尾、坂の上、小橋)の3地区で交代に行っていた、現在ではかみ、しも(池の尾と坂の上、小橋)の2地区で交代で行っている。

 

 


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