町内の7つの中学校が平成31年4月には町内1校に統廃合される方向で動いており、地区内にある2つの中学校が廃校になることから、八幡自治組織としてその廃校舎を含めた跡地活用はどうあるべきかを探るため、廃校後の有効活用をしている熊本県上益城郡御船町水越(みずこし)地区を7月16日自治組織役員で視察研修した。
水越地区は熊本県のほぼ中央にあり、熊本市の南東部に位置し急峻な山あいを一気に上り詰めた標高320m程の周りを山々に囲まれた山間地域にある。
少子高齢化が社会問題となっているなかで、水越地区も高齢化率が急速に進行しており、地区内の中学校及び小学校が平成13年、17年に閉校した状態であった。
そういったことから地域に住む方々は「どうにかせねば」と強い危機感を抱き、平成24年に町と連携し、年に6回の意見交換会を皮切りに活性化の取り組みを始める。
概要を記したパネル
小学校廃校舎を活用し地域の特性を生かしたアイデアで数多くの活動をしている。その主要な活動内容としては、次の通り。
①4つの部会を構成して活動しているが、特に地区に住む全員の参加できるように、イベント部会と称し、消防団や体育協会、風神太鼓の会等の若い協力者を取り組んでいる。
②旧校舎の給食調理室及び隣の食堂を活用し、
地域で採れる産物を食材にして給食調理室で調理したものをイベントや地区内の行事に提供している。
・ 提供先の一つとして地区内の方(主に高齢者対象)に老化防止、介護予防から毎月1回調理室で調理に精を出す加工部会員
食堂に集まってもらい会食(一人400円)を実施。
・ 配食サービス(地区内の高齢者を対象に夕食を毎月1回宅配)
③各種イベントの開催
・ 「ただいまっ、水越」をキャッチフレーズにしたイベントの開催
・ タケノコ掘り体験・稲刈り体験・ホタル観賞等の地区外との交流事業の展開。
今回の視察研修を振り返って
○ 人材がある。(役場OB、教職員OB、給食調理員OB等)
○ 地理的に閉鎖されたところでまとまりがあり、地区住民に危機感が共有できている。
○ 水越地区は県都である熊本市から近いうえ、他地域とは地理的に離れており独特の田舎(いなか)感が味わえることが大きい。
○ イベント企画会社を活用できたことも大きい。
○ 今回の研修先と八幡地区とは当然違いはあるものの、似通っている点もある。
○ 学校跡の活用では、調理室活用で今後有効利用について大いに参考となる。