山下大御神社大祭が9月17日に行われ、山下岩戸楽が4年ぶりに奉納され、多くの方々を魅了しました。
山下地区の「老人憩いの家」を出発した岩戸楽の奏者の一行は、秋の稲穂や収穫済みの田園が広がる光景のなか、「道楽(みちがく)」の演技をしながら、約30分かけて大御神社境内に到着し、多くの参拝者に迎えられました。
境内では、「杖(つえ)」の演技、巻物奏上、小漏子(こもらし)の演技が行われました。
「山下岩戸楽」は江戸時代初期の1681年に当時森藩の一部であった日田郡石松村の岩戸楽を石松村から山下村に庄屋が着任のとき山下大御神社に伝承したことから始まっています。それからずっと久しく今日まで、幾多の時代の趨勢の中にありながらも絶えることなく続けられてきています。
「杖」の演技で杖に仕掛けられた花火がうまく「パン」と鳴り響くときには「ワア」という歓声が、小学生が扮する「小漏子」の演技で大太鼓の連続した「ドドドド」の音に併せて子供たちが側転を繰り返すときには、周囲から「回れ、回れ」と掛け声が出ていました。
山下岩戸楽は総勢43名で奏されますが、今子供たちが数が減っていること、若い者が地域から仕事等でいなくなりつつあることなどから、伝統芸能を続ける難しさは、他の地区の伝統芸能継承と同様に大事になってきているようですが、今後もずっと長く続けてことが求められています。