12月14日に、「玖珠町人権を考える町民のつどい」がメルサンホールで開催され、徐麻弥(ソ マミ)さんによる人権講演が行われました。講演の前には、「差別をなくす人権標語」の入選作品の表彰式があり、優秀と認められた9名の小学生、中学生が表彰されました。
講演講師の徐麻弥さんは、自己紹介で韓国籍の在日朝鮮人3世で、父が在日朝鮮人2世(韓国籍)、母が日本人と紹介。もともとは、日本が朝鮮半島を植民地支配していたとき、今の北朝鮮出身の祖父が日本に戦時中の労働目的で日本に渡って住むことになったようです。戦後は、朝鮮戦争で朝鮮半島が分断され、歴史のはざまで複雑な事情が絡んでいます。国籍も、日本の統治下においては全員日本国籍であったが、1952年のサンフランシスコ講和条約発効までで、それ以降は韓国籍、朝鮮籍、日本籍となっています。
▲講師の徐麻弥さん
私たちはメディア等で「在日朝鮮人」とよく耳にしますが、在日韓国人、在日朝鮮人、在日韓国・朝鮮人、在日コリアンなど実際は多様になります。
徐さんは生まれた時から日本名を使用して生活していたが、大学入学を機に民族名を使うようになったそうです。徐さんのように、民族名を名乗る人もいますが、差別を恐れて日本名を選択し、日本人の鎧を被って生きている人も多くいます。
徐さんのように日本で暮らしている在日朝鮮人(韓国人)は、住居を借りるとき、就職、結婚、年金などあらゆる場面で障害や差別があります。
徐さんの周りの家族をはじめ、在日同胞たちのさまざまな経験や、直面してきた生きづらさなどを前向きに語ってくれました。
徐さんは、講演の最後に、みんなが自分らしく生き生きと生きられる社会の実現を望んでいることと、決して傍観者にならないよう勇気をもって生きたい、また「頑張ります」と決意を述べて講演を終えました。